紙媒体でのTCニューズレター『冨田賢の新規事業のための賢’s 情報Station』の2015年10月号を発行!(特集:新規事業立ち上げで、人工知能の活用を検討してみよう!、セミナー情報&開催報告、他)

紙媒体でのニューズレター

『冨田賢の新規事業のための賢’s 情報Station』

の2015年10月号を発行いたしました!

巻頭特集:『新規事業立ち上げで、人工知能(AI)の活用を検討してみよう!

         ~人工知能の活用は、SFの世界の話ではもはやない~』


当社は、電子メールのメールレター(配信申込とバックナンバーはこちら!)に加え、

毎月1回、紙媒体で4ページのニューズレターを発行しております。

 

巻頭特集や、セミナー開催報告・開催情報、

冨田賢からのメッセージを掲載しています。

 

画像や写真満載です。是非、ご覧ください♪

 

★2015年10月号のニューズレターのPDFファイルは、こちら!TC_News_Letter_2015年10月号

 

なお、コンサルティング先企業の皆様には、印刷業者

で印刷したものを、5~10部ずつ、

ご郵送させていただいております。

 

<ニューズレターの中身の画像も掲載します!>




 


<巻頭特集のテキスト・データ>

新規事業立ち上げで、人工知能(AI)の活用を検討してみよう!
〜人工知能の活用は、SFの世界の話ではもはやない〜
 
 皆さんは、人工知能(Artificial Intelligence、AI)は、近頃、新聞等でよく見かけるものの、まだまだ遠い世界やSFの中のことだと思っていませんか?
 このニューズレターの2015年6月号では、IoT(Internet of Things)について、取り上げましたが、IoTは、自動制御と精緻な予測がキーとなり、それを担うのが人工知能(AI)となります。IoTの一つの重要な構成要素である「ビッグデータ解析」は人工知能によって実現します。
 
 人工知能を身近に体感できる
 アンサンブル学習のデモ
 9月に2回行ったIoTに関する私のセミナー(当レターの3ページ目に開催報告を掲載)では、人工知能の一つである機械学習(マシーン・ラーニング)、特に、アンサンブル学習のデモを行いました。
 アンサンブル学習とは、複数のアルゴリズムを組み合わせたもので、精度の高くない複数の結果を統合・組み合わせることにより、精度を向上させる機械学習方法です。私の博士号の指導教授である慶應義塾大学の武藤佳恭先生(機械学習の第一人者です)の『ビジネスマンのためのビッグデータ解析:知の集合体・最先端人工知能の活用』(Kindle、¥1,237)に掲載されている事例を用い、一般的な統計学の重回帰分析と、オープンソースの機械学習パッケージScikit-learn(11種類が入っている)の2つの比較で、その予測の精度を試してみました(VMware Playerで、Windowsマシンにて、
LinuxのUbuntuを走らせ、その上で、Pythonで操作する形)。
 
 使用したデータは、アイスクリームの売上、通行人数、最高気温の3つのパラメーターで、わずか31日分のデータとなりますが、人工知能がパラメーター間の相関性を把握し、モデルを作り上げてくれます。その結果、R-squared(実際のデータと予測値のフィット度を示す数値。1に近いほど予測が正確であることを意味する)で、重回帰分析が0.45に対し、アンサンブル学習では0.98という数値が出ました。
 あまり身近には感じられない人工知能が、どういうものかを体感できるデモと言ってよいと思います。
 
 人工知能の種類や用途には
 多様なものがあります
 たとえば、iPhoneにも、Siriという音声認識が搭載されていますが、これも人間の声を人工知能が学習して推測して、人間の声を解析しているわけです。Amazonなどで本を買う場合に出てくるレコメンド広告やリ・ターゲティングなども、人工知能がマーケティング情報を分析しています。
 
 
 その他、IoTのシステム、たとえば、建機のコマツのブルドーザーのタイヤの摩耗を管理するIoTではタイヤに取り付けたセンサからの情報や稼働状況などのビッグデータを用いて、人工知能が、タイヤの摩耗度合い、そして、将来の交換時期を精緻に予測しています。また、生体情報をウォッチできるウエアブル・デバイスによって取得した情報から、病気の予防のための予測も、過去のデータに基づいて、人工知能が分析して、行っています。これらは、先に述べたような、人工知能(機械学習)の予測能力によって実現しているわけです。
 昨今話題のFintech(フィンテック。金融とITの融合)においても、個人の消費・貯蓄行動などの分析から、様々な金融面のアドバイスをしてくれる個人向けサービスが登場していますが、それらの背景にも、人工知能の利用があります。
 このように、人工知能は、ビッグデータ解析を中心として、私たちの日々の生活にすでにたくさん実際に活用され始めています
 人工知能の活用を選択肢として、
 将来の事業展開を考えよう
 これまで、物理や経済などの分野ごとに、そのパラメーターを規定して、モデルを構築して、データ分析(重回帰分析など)をしていたわけですが、人工知能を活用すれば、モデルなしで、人工知能が、データからパラメーターを抽出し、重要度を判断して、モデルを構築してくれるようになります。最新のアンサンブル学習では、データの重要度(Feature of Importances)を自動的に演算し、生成できます。どのパラメーターに着目するべきさえも、人工知能が教えてくれるわけです(なお、このあたりのことは、武藤佳恭著『AVRマイコンとPythonではじめよう IoTデバイス設計・実装』(オーム社、¥2,484) にも解説が掲載)。
 しかも、機械学習は、先述のScikit-learnのように、無償で利用できるオープン・ソースのライブラリとなっています。今は、そういう時代です。
 新規事業立ち上げにおいては、人工知能は自分たちに関係ないとは思わず、なにがしらか、人工知能を活用して、より精緻に予測ができないか、その予測・分析に基づいて、自動制御ができないかという視点で、将来の事業展開を考えてみましょう!そこに、閉塞感のある状況からの脱却やIoTシステム開発の突破口があるはずです。
 人工知能をリサーチし、その利用可能性を開拓することが、新規事業立ち上げの一つの切り札になると思います。

 

冨田 賢

Satoshi Tomita, Ph.D.

CVC JAPAN株式会社 
代表取締役社長

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