2019年〜2020年はCVCの設立が経営の大きなテーマになる
2014年度から5年間の日本企業の業績は、好調であった企業が多い。つまり、内部留保が貯まってきているのである。このような状況下、今後の企業経営を見据えた際、何をすればよいのであろうか?
事業にも、人間の一生と同じようにライフ・サイクルが存在する。そのため、売上・利益をエンジョイできてきた事業も、いずれ、終焉を迎える。その一方で、企業は、人材や工場設備など、固定費を抱えている。それらのコストをまかない、さらに企業を発展させていくためには、継続した新規事業立ち上げが不可欠である。しかしながら、社内での新規事業のシーズとなる技術やアイディアの創出には限界がある。中央研究所を有していなかったり、保守的な企業風土、自前で何でも行おうとする自前主義(NIH症候群)などがブレーキをかけたりしてしまう。
新規事業立ち上げを推進していくには、オープン・イノベーション戦略、すなわち、外部のベンチャー企業等が生み出した技術やアイディアを取り込んでいくという考え方を取り込むことが必要である。その重要なツールが、コーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)である。
2019年、2020年は、まさに、CVCが経営戦略の主役となる年となる。オリンピック・イヤーでもあり、日本でのベンチャー勃興も盛んな中、そこに、大企業が内部留保資金を、CVCを通じて投資することによって、日本経済の活性化も期待できる。
CVC設立は、もちろん、リスクも伴うものである。ベンチャー投資は、分散投資やマイルストーン投資などの投資理論にきちんと従えば、それほど、無謀なリスクがあるものではないが、とはいえ、一般的な企業においては、なかなかCVCの設立に踏み込めないケースもあろう。そこは、先を見据えた次代の収益源、次の時代の事業の柱を作っておくことが必要であるという心構え、志を有した経営者の見識にかかっているであろう。
私達CVC JAPANは、そういった志を持った経営者の皆様と研鑽を積んで参りたいと考えております。
冨田 賢
Satoshi Tomita, Ph.D.
CVC JAPAN株式会社
代表取締役社長